小売業におけるセキュリティ強化の重要性
従業員スタッフが万引き知識を得る理由とは

『万引き』とは商品や物品を買わずに店舗から盗む行為を指します。前回の記事では、『窃盗(万引き)被害の成立条件から逮捕までを詳しく解説!』で、万引きに関わる情報をご紹介させていただきました。万引きは社会全体にとって大きな問題となり、決して他人事として考えることはできません。損失を直接的に被る小売店舗に従事される従業員・スタッフにとっては尚更のことですが、『万引き』を詳しく理解することで得られる利点をまとめましたので、皆様と共有させていただきます。


1. 防犯機器によるロス率低減には限りがある!?

まず、各店舗のスタッフに把握して欲しいことは『万引き犯の行動を理解する』ことです。万引き犯の一般的な行動は、洋服やズボンのポケット、カバンやエコバック、洋服の内側に商品を隠し、商品を購入せず退店するといった行為です。万引き被害を防ぐために、各企業様の自助努力により、防犯ゲートや防犯カメラ等の防犯機器を設置するなど対策を行っておりますが、従業員・スタッフに気づかれないよう防犯カメラの死角に隠れ、防犯ゲートが反応しないよう防犯タグをハサミで切り取るなど、犯行が巧妙化しており、防犯設備の導入だけでは犯行を防ぎきれないのが現状です。

しかし、被害がいつ訪れる誰も分からない『万引き・窃盗被害』を、常に意識することは相当難しく、防犯設備を導入することで、万引被害を防止・抑止する効果は期待できますが、棚卸のタイミングで発覚する『不明ロス』の大きさに驚かされる方も多いのではないでしょうか。(警察が万引きを認知できているのは、各店舗からの被害届によるものなので、少額被害や、お店の判断で犯人が特定できていない被害などは含まれておらず、警察が認知できていない被害の方が圧倒的に多いと言われております。)

各店舗のロス率は約1%程度(ロス金額÷売上高×100)と言われており、このロス率低減をさらに推し進める為に、店舗スタッフの万引被害に対する知識を高めることで、軽減できる方策をご紹介できればと思います。

2. 万引知識向上が、ロス率を低減に有効?

店舗スタッフが万引知識を高めることで、どうしてロス率が下がるのか?これは簡単に言うと、万引き犯が取る行動には前兆となる動きが存在します。例えば以下のようなものです。

(1)集団で必要以上に店内を徘徊する

(2)買物をする気配もなく、長時間店内を徘徊する

(3)店員等の動きを必要以上に気にしながら、店内を徘徊する

(4)専用買物カゴを持たずに大型バッグなどを所持

(5)バッグのファスナーが開いたまま

(6)大き目の衣類を着用している

(7)何回か来店するのに商品を購入せず、繰り返し出入りしている

(8)グループで来店し、執拗に店員の気を引くよう話しかける

下の図は、『万引き犯に何があったら犯行を諦めるか?』のアンケート結果ですが、断トツで『店員の声かけ』でした。このような積極的な『声かけ』は万引きを試みようとしている犯人に『見られている』という意識を植え付けることができ、犯罪抑制につながると言われています。

 

<出典:万引に関する調査結果報告書:平成24年2月東京万引防犯官民合同会議資料より>

3. スタッフの防犯意識向上は顧客サービス向上につながります

万引き対策をしっかりと行われている店舗では、お客様が安心して買い物をすることができると言われています。防犯カメラの設置や防犯タグの取り付け、スタッフの挨拶・接客などが顧客に安心感を与え、快適な買い物環境を提供します。また万引き対策には店舗スタッフの訓練や教育も含まれます。店舗スタッフが万引きを検知し、適切に対応できるようになることで、お客様へのサービス向上が期待できます。お客様が万引行為に遭遇した場合、スタッフの迅速でプロフェッショナルな対応は信頼感を築く上で重要です。さらに、万引き対策においてお客様とのコミュニケーションが重要な役割を果たします。防犯対策の説明や注意喚起など、お客様に対して適切な情報を提供することで、お客様との信頼関係を築くことができます。

4. 防犯対策は従業員スタッフの安全確保にも役立ちます

従業員スタッフが万引き犯を捕まえる行為は時には暴力や脅迫に発展することがあります。スタッフが万引きの成立条件を理解していることで、緊急時には適切な対応を取ることができます。また適切な手順や法的な措置を講じることで、警察や警備と連携して犯罪者を捕まえる可能性を高めることができます。さらにスタッフ全員が万引き対策について理解を深めることで、チーム全体で犯罪防止に取り組むことができます。情報の共有やコミュニケーションの改善により、スタッフ同士の連携が強化されます。

5.スタッフの防犯意識を効果的に高める手段として

上述の通り、店舗従業員スタッフ全員で防犯意識を高く持つことで、万引き被害による損失を軽減するだけでなく、従業員スタッフが安心して働きやすい環境構築につながり、その環境・雰囲気作りが、お客様にご利用いただきやすいお店作りを可能にします。しかしながら、実際に大きな被害に遭わない限り、常に防犯意識を高め続けることは簡単ではありません。当社が開発したEMLINX(エムリンクス)は、近隣店舗で発生する万引き・窃盗被害情報を業界・企業の垣根を越えて共有することができる業界初のクラウド型防犯サービスです。このサービスに加盟することで、盗まれやすい商品、盗まれやすい場所、手口や対策など、店舗内で防犯意識を高めるべきエリアと、対策方法を日ごろから把握することができ、より具体的に実行することが可能になります。このEMLINXの仕組みについてより詳しい情報をご希望の方は、ここをクリックしてください。

 

 

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