万引き被害を食い止めるために知っておきたい!
多様化する手口と犯人の人物像

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万引き被害を食い止めるために知っておきたい!多様化する手口と犯人の人物像

小売店にとって悩みの種である万引き。被害を防ぐためにはしっかりとした防犯対策はもちろんですが、具体的にどのような手口があるのか、また誰がどのような理由で万引きをするのかを知っておくことが重要です。

1.万引き犯の人物像

万引きをするのは特定の年齢や性別に限ったことではなく、青少年、サラリーマン、主婦、高齢者などさまざまな人がいます。一方で、その理由は属性によって一定の傾向があります。まずはそれぞれ、どのような人がどのような理由で万引きをするのかを見ることで、万引き犯の人物像を明らかにしてみましょう。

青少年

一昔前に比べると割合は減ったものの、小中学生、高校生など青少年の万引きは依然として大きな割合を占めています。理由としては衝動的なものが多く、友人に誘われて仲間はずれにされないために万引きをしたり、スリルを求めてゲーム感覚で盗んでしまうといったケースが見られます。また一部では、どうしてもその商品が欲しいという理由で万引きにおよぶこともあります。

成人

一見お金に困っているようには見えないサラリーマンや主婦が万引き犯になることもあります。その理由としては出来心で盗んでしまったり、ストレス解消のために万引きを繰り返してしまうなどのほか、一部では経済的に困窮して食料品を盗むケースもあります。

高齢者

高齢者は定年後、社会から孤立しやすい傾向にあり、社会的意識の欠如から万引きにおよぶケースが多くなっています。代表的なケースとしては生活に困窮して食料品を盗んだり、認知症の影響で倫理的思考が欠如し万引きをしてしまうなどがあげられます。ただ、たとえ生活に困っていなくても将来の不安からお金を出し惜しんだり、孤独感から故意に犯罪を犯して話し相手を探すケースまであり、万引きの動機は多岐にわたります。

従業員

本来はあってはならないことですが、店舗の従業員による万引き(内引き)も決して少なくないのが現状です。従業員は監視カメラや警備員など店舗がどのような万引き対策を行っているか知っているため、それを逆手に取って見つからない場所で万引きする手口が多いようです。理由としては自分で使うものを衝動的に盗むケースのほか、一部ではオークションサイトや中古ショップなどで転売する目的で万引きするケースもあり注意が必要です。

ひと昔前までは、万引きというと青少年が起こす犯罪というイメージもありましたが、最近はその傾向が大きく変わっていることにも留意しておく必要があります。警視庁が発表している『警察白書』によると、2017年に実際に万引きで検挙された人数は66,154人にのぼりますが、そのうち高齢者は26,106人で全体の39.5%を占めています。この数は青少年や成人など他の属性を大きく上回る数字で、万引き犯の中で最も大きな割合を占めるのは高齢者というのが一般的な認識になりつつあります。

近年は独居で年金にたよった生活を余儀なくされる高齢者も増えています。それにより、経済的に困窮したり社会的に孤立したりすることで万引きに及ぶケースがあり、大きな社会問題となっています。

2.窃盗団による犯行も増加傾向に

近年は個人だけでなく、組織的な外国人窃盗団による万引きも多発しています。こうしたグループは基本的にオークションサイトや独自ルートでの転売を目的として万引きをするため、一般消費者の人気が高くオークションで高値が付きやすいなど、換金性の高い商品を一度に大量に盗んでいく傾向にあります。

そのため商品が高額になるドラッグストアは特に狙われやすく、その被害額は一度に数十万円にのぼることも珍しくありません。また、一度目をつけた系列店をはしごして盗んでいくこともあるため、被害は非常に大きな額になります。

窃盗団による万引きは組織的に行われるのが特徴で、実際に商品を万引きする実行役のほか、店員や警備員を引きつけるおとり役、万引きした商品を逃走中に受け取る受け子、逃走用の自動車の運転手、またそれらを指揮する指示役などの役割に分かれています。中には警備員を威嚇したり、買い物かごいっぱいに商品を入れて見つかるのも構わず逃走するなど、これまでの常識的な万引き対策が通用しないケースも少なくありません。

3.万引きの手口

一口に万引きといってもその方法はさまざまです。代表的な手口には以下のようなものがあります。

カゴ抜け(レジ抜け・カゴダッシュ)

商品をポケットやカバンに入れたまま逃走する手口です。レジを通さずに商品を盗むことからレジ抜けとも呼ばれています。低価格で手のひらに収まるような小さな商品は、ほぼこの手口で盗まれるといっていいでしょう。ポケットやカバン以外にも袖口に隠したり、買い物かごいっぱいに商品を入れそのままカゴごと逃走する(カゴダッシュ)という大胆な手口もあります。

万引きの方法としては最も古典的で事案も多い手口ですが、近年はレジ袋が有料化したりエコバッグが普及してきたこともあり、発見はむしろ難しくなる傾向にあります。エコバッグに商品を入れたまま退店されてしまえば正直見つけるのは難しく、また商品を袋に入れず手に持ったまま店を出ても、実際に購入した商品かどうかを見分けることができないためです。

中抜き

中抜きとは、箱に入っている商品の中身だけを抜き取り盗んでいく手口です。箱から出してしまえばポケットや袖口に隠せる場合も多く、また見つかっても中身だけなら自分のものと主張しやすくなります。特に箱入りの商品は高額になる傾向があるため、店としても注意が必要な手口と言えるでしょう。

対策としてはプラスチックケース型の防犯タグをつけたり、捨てられた箱が発見できれば指紋を取るなどが考えられますが、そこまでしても実際に被害届を出すかは商品の金額次第というのが実情です。

持ち込み

持ち込みとはトイレや試着室などに商品を持ち込み、そのままカバンに入れたり着用して盗んでいく手口です。トイレや試着室は監視の目が届きにくいため、犯人はそこでゆっくりと商品を隠したり、商品管理タグを外したりといった行為におよぶことができます。

対策としては試着室に商品を持ち込む際は点数確認や声がけを徹底する、トイレや試着室の入り口に目立つよう監視カメラを設置するなどの方法があります。

タグ切り

タグ切りとは、商品に取り付けてある商品管理タグを切りはずして商品を盗む手口です。商品管理タグは衣類やアクセサリーのほか、家電製品やスーパーの高額商品などさまざまな場面で使われていますが、いずれも高額商品となるため、店舗側も注意が必要な手口です。

商品管理タグは物理的に取り外したり破壊したりするのが難しい形状になっているのが一般的ですが、中には水の入った水筒にタグごと入れ、ブザーが鳴っても大きな音にならないよう仕組んで盗んでいくケースもあります。

※万引きの具体的な対策方法については、以下の記事で詳細に説明しています。ぜひ合わせてご参照ください。

No.1「万引き対策」の記事と内部リンク

まとめ:次世代の防止システムを取り入れ、しっかりと対策を

万引きの手口は近年ますます多様化する傾向にあります。さらに窃盗団が組織的に店舗を狙うなど、従来の常識的な万引き対策だけでは防ぐことは難しいケースも珍しくありません。こうした万引きの手口に対抗していくためには、警察や近隣の店舗とも協力しながら、地域で一丸となって万引きを防ぐことが重要になります。

EMLINX(エムリンクス)』はクラウドサーバーを利用して、対象者の画像や性別、おおよその年齢などの情報をリスト化し、近隣の店舗間で共有できるサービスです。複数の事業者で協力しネットワークを組むことで、スムーズに犯人の発見につなげることが可能です。万引き被害にお悩みの際は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。

 

 

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