昨年末に警視庁より令和4年度の警察白書が発刊、2002年(285万件)をピークに毎年減少傾向を続けていた刑法犯認知件数が前年比5.9%増の60万件強と、20年ぶりに増加したと報告がありました。コロナ禍の行動制限が緩和された影響もあるようですが、最近治安が悪くなったと感じている人が増回傾向にあるようです。自治体における安心・安全なまちづくりに監視カメラは重要な役割を果たしてくれるが、一方、プライバシーの侵害につながるとの懸念もあり、設置・導入に悩まれている自治体関係者の方も多いようです。

監視カメラの設置や管理等が国の法令で規制されていない為、各自治体側で住民のプライバシー保護の観点から独自にガイドラインを設けることで運用しているのが現状です。監視カメラで撮影された録画映像は、事件・事故等が発生した際に、捜査目的で活用されることが主な役割でしたが、クラウド録画が浸透したことで、監視カメラの活用の幅が大きく広がってきております。今回は、自治体における活用事例を中心に、従来型の録画装置と比較した時のクラウドカメラの魅力に迫ってまいります。

1.自治体によるクラウド録画の活用法

重要文化財、公園・学校等の公共施設、河川の水位等、市役所の職員は、安全・安心に過ごせるまちづくりに監視カメラは重要な役割を果たしている。従来の方法では、監視場所にサーバーを設置し映像録画をする、通称『オンプレ』と呼ばれる手法が一般的でした。しかし、この手法には、映像確認のために現場へ足を運ぶ必要があり、またハードウェアが知らぬ間に故障、必要な映像が保存されていなかった等の課題がありました。最近では、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、監視カメラを直接インターネットに接続し、クラウド上に保存する動きが増えています。監視映像の保存場所をクラウドに変更するだけで、市役所の担当者は、必要なタイミングで離れた場所から映像を確認でき、ハードウェアの故障で映像が録画されていなかったというリスクがなくなりました。これだけでも十分有益なことですが、『EagleEye(イーグルアイ)』はそのクラウドの流れをもう一段進化させました。それが『EagleEye(イーグルアイ)』のブリッジ構造(※1)です。一般的なクラウドカメラの弱点は、①ネットワークが断線すると録画保存が止まってしまう、②1拠点に設置されている監視カメラの台数が多いとネット回線に大きな負担が生じてしまう、③ネットワーク経由でデータ送受信が頻度良く発生するため、帯域へ負荷が大きくなるなども懸念がありました。このようなオンプレ、クラウド各々に存在した悩ましい課題を一気に解決に導いたのがEagleEye(イーグルアイ)の魅力の一つです。

2.より安全・安心な街づくりに向けて!

自治体によっては、住民の安心・安全を確保するために、警察から速やかに映像提供求められるケースが発生します。しかしオンプレ型録画装置の場合、上でも述べた通り、監視カメラが設置されている拠点まで出向き、録画映像を取得する必要があります。それでは、なかなかスピーディーに映像提供すること難しいというのが現状です。クラウド映像録画は、必要なタイミングで映像を即座に確認、離れた場所にいても映像をダウンロード取得することが可能です。

また、自治体が取り組むべき監視カメラの設置・導入で避けて通ることができないのが、プライバシーの問題です。インターネットに接続するクラウド録画の場合、気になるのがプライバシー保護に向けた対応になりますが、当社が提案するクラウド録画サービス『EagleEye(イーグルアイ』は以下機能を実現することで強固なプライバシー保護を実現します。

  • ブリッジ構造₍※1₎で外部から監視カメラに対する不正なアクセスを全てブロック。
  • 映像の録画/送受信データを全てTLS1.2、AES-256bitで暗号化
  • パブリッククラウドを使用せず、自社専用クラウドで映像管理

3.大規模災害時のリスク軽減

阪神大震災・東日本大地震といった突然の大規模災害(地震・火災・津波など)では、監視カメラや録画装置が故障し、結果それまで保存されていた録画映像を全て消失してしまうリスクがありました。また被害状況を映像で確認するには危険な現場まで足を運ばねばならず、状況把握は容易ではありませんでした。映像録画の方法をクラウドにすることで、災害時のリアルタイムの映像を、離れた場所から確認できるようになるため、クラウド録画に移行する自治体も増えてきております。

4. 監視カメラ市場における第三の選択肢『ハイブリッド』

監視カメラの映像を録画したい場合、一般的に選択されるのは、監視カメラの設置場所に録画装置を設置する『オンプレ型』、監視カメラをネットワークに接続しクラウド上に映像保存する『クラウド型』の2択がこれまででした。当社『EagleEye(イーグルアイ)』が提案する三番目の選択肢が『ハイブリッド型』です。大きな違いは次の通りです。

<オンプレ型とクラウド型の融合>
従来のオンプレ型では、離れた場所から専用モニター画面上で複数拠点の状況を一度に確認することは容易ではありませんでした。ハイブリッド型の場合、オンプレ・クラウド各々に録画されている映像を1つのモニター上で一度に確認できるようになりました。

ご存じの通り、クラウドカメラは毎月のランニングコストが発生するため、監視カメラの設置台数が多い場合、運用負担が大きくなります。ただ上に述べたクラウド化のメリットを得ようとすると、オンプレでは難しいことも事実です。オンプレとクラウドの両方を1システムで管理できるようにすることで、コストメリットと運用メリットの両面を得ることができるようになります。これがハイブリッド型の最大の特徴です。

この『ハイブリッド型録画装置』について詳しくは知りたい方は、こちら

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(※1)ブリッジ構造
EagleEye(イーグルアイ)はブリッジ/CMVRという専用装置を監視カメラとクラウド間に配置することで次のメリットを提供します。
・動画のバッファリング
・送信動画データ量のコントロール
これにより、万が一ネットワークが遮断した際でも動画が途切れることがありません。また、ネットワーク帯域が空いていない時はローカルにバッファリングし、空いているときにクラウドに動画を送信できるため、ネットワークの有効活用を可能にしました。

 

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