高千穂交易、米シンテラ・ネットワークス社と代理店契約締結 無線通信基地局向け歪み補正プロセッサ『REPAL』製品の販売を開始

~無線信号の歪み補正回路設計を簡素化し、部材費の削減と低消費電力を実現~

高千穂交易株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:戸田秀雄、証券コード 2676)は、独自のギガヘルツ・シグナル・プロセッシング(GSP)技術をコアとした通信市場向けのIC製品を開発・販売する米国シンテラ・ネットワークス社(Scintera Networks, Inc. 以下、シンテラ社)との代理店契約を締結し、無線通信基地局向けの歪み補正プロセッサ『RFPAL(RF Power Amplifier Linearizer)』の販売を開始しました。

現在、一般的に広く普及している携帯電話や放送用の無線通信機器は、行政機関から通信事業者毎に割り当てられた周波数帯域を利用しデータの送受信を行っていますが、限られた周波数帯域の中でより多くのデータ通信を行うにあたり、無線通信基地局では、発生する信号の歪みをクリアに補正し、複数あるチャネル信号間の干渉をいかに抑えるかということが重要な課題となっています。
その対策として、基地局ではベースバンド回路※1とRF回路※2に歪み補正回路を設けているものの、その複雑な設計には相応の開発期間とコストが必要となり、さらにベースバンド回路には、高性能なADコンバータ※3やDSP※4など、高価な周辺部品の採用が不可欠となっています。

こうした中、シンテラ社の『RFPAL』プロセッサは、RF信号の歪み補正をリニアに処理することによって、ベースバンド回路を簡素化させ、RF回路部のみの非常にシンプルな回路設計を実現いたします(採用イメージ図参照)。
加えて回路の簡素化は、開発工数と使用部品を同時に削減するため、大幅なコストの圧縮を可能にするほか、使用部品の削減によって、システム全体の消費電力節減をもたらすなど、24時間365日稼動する通信基地局装置の省エネルギー化にも大きく貢献できるというわけです。

シンテラ社では、『RFPAL』プロセッサのラインアップとして、現在、既存の無線通信規格(W-CDMA、CDMA、WiMAX※5)に対応した『SC1887』製品を販売しており、さらに2011年内には、次世代の通信規格であるLTE※6にも対応した新製品の投入も予定しております。高千穂交易はこれらの販売を通じて、ターゲットとする通信インフラ市場へのアプローチをより一層強化し、2012年度には2億円の売上を目指します。
また、当社ではアナディジックス社の無線用パワーアンプ、オクタジック社の基地局用マルチコアDSP、ヴィテッセ社のギガビットイーサコントローラなど、通信基地局向け製品のラインアップを豊富に取り揃えており、今後はこれら製品のミックス販売を積極的に推進してまいります。

【シンテラ社製RFPAL採用イメージ】

【シンテラ社製RFPAL製品「SC1887」の特長と外形図】

■動作周波数帯域:600~3000MHz
■シグナル:5~10dB PAR
■信号帯域幅:Up to 40/60MHz
■低消費電流:500~1100mW
■動作温度範囲:-40°C~+85°C
■パッケージサイズ:9.0 x 9.0 x 0.9mm QFNパッケージ

【シンテラ・ネットワークス社(Scintera Networks, Inc.)について】

■設立:2002年
■本社:米国 カリフォルニア州 サニーベール
■その他拠点:中国、韓国、英国
■従業員:30人
■URL:http://www.scintera.com/

※1 ベースバンド回路:無線機で変調前や復調後の信号(ベースバンド信号)を扱う回路。
※2 RF回路:無線機の送受信回路。ベースバンド回路と接続して使用される。
※3 ADコンバータ:音声などの連続して変化するアナログ信号を、0と1の組み合わせで表せるデジタル信号に変換する電子回路。
※4 DSP:Digital Signal Processor、音声や映像などの処理に特化した演算処理IC。
※5 W-CDMA:Wideband Code Division Multiple Access、現在、ドコモやソフトバンクが採用中の通信規格。CDMA:Code Division Multiple Access、現在、auが採用中の通信規格。 WiMAX:Worldwide Interoperability for Microwave Access、高速無線通信規格の一つで、固定電話向けとモバイル向けが存在。国内では主にUQコミュニケーションズが採用中。
※6 LTE:Long Term Evolution、携帯電話の高速なデータ通信仕様の一つ。現在、NTTドコモやソフトバンクが採用しているW-CDMA高速データ通信規格「HSDPA」を更に進化させたもので、大容量のデータ通信が可能。

このニュースリリースに対するお問い合わせ

高千穂交易株式会社 経営システム本部 コーポレートチーム
担当者:田中
TEL:03-3355-1201
E-mail:pr@takachiho-kk.co.jp

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