長谷川ワタル建築研究所 様

アイランドキッチンを昇降させる匠のアイディアでダイニングテーブルを拡張!大人数での使用を可能に!
テレビ朝日系人気番組「大改造!劇的ビフォーアフター」にて紹介されました!

「大改造!劇的ビフォーアフター」(朝日放送)では大阪・岸和田の家リフォーム案件で2013年ビフォーアフター大賞を受賞。 「雅空間の若き志士」として住宅・店舗設計を中心に活躍。今回、滋賀短期大学付属高等学校の女子バスケットボール部員が下宿する監督宅のリフォームを手がけ、ダイニングルーム内、配膳台やシンク台にもなるアイランドキッチンを昇降させることで、ダイニングテーブルと一続きにするスペース有効活用を発案。キッチンの昇降装置にMOVOTECをご使用いただきました。

左から 長谷川ワタル建築事務所 所長 長谷川 渉様(左写真)
アイランドキッチンが昇降し、ダイニングテーブル天板が回転すると、大人数でも食卓を囲めるようなサイズに!(右図)

目次

  • 【課題】 監督夫妻の家に学生5人が下宿。手狭なキッチンや食卓スペースの有効活用を模索
  • 【解決策】アイランドキッチンを昇降させることでダイニングテーブルと一続きに
  • 【結果】 来客時には4mものダイニングテーブルに早変わり。限られたスペースを最大限に活用!
  • ~ちょこっとコラム~

【課題】監督夫妻の家に学生5人が下宿。手狭なキッチンや食卓スペースの有効活用を模索

今回のリフォームでは、複数人共同で調理したり片付けが出来るように、キッチンは通常のキッチンに加え、アイランドキッチンを設置する設計で始まりました。アイランドキッチン横にダイニングテーブルを配置したのですが、普段の監督夫妻と下宿学生の7~9人ほどが使う他、バスケットボール部OBや他部員など、来客も多いと伺いました。人数が増えても、食事の時間を楽しんでもらえるような食卓スペースを作る必要があり、ダイニングテーブルを拡張できるよう、アイランドキッチンの高さを調節してテーブルの一部に出来ないかと考えました。

【解決策】アイランドキッチンを昇降させることでダイニングテーブルと一続きに

一続きにさせるためには、アイランドキッチンを調理時の高さからテーブルの高さに調節できるものが必要でした。昇降するドラフター(製図台)の存在も知っていたので、何か方法があるだろうとスタッフとともに探し、発見したのが高千穂交易の油圧式昇降システム「MOVOTEC」でした。

アイランドキッチンの真ん中にはシンク台がある関係上、両側にガイドを設ける必要があると思っていましたので、四隅に取り付ける配置のMOVOTECは構想に合っていましたし、シリンダーが最大4本(シリンダー種によっては6本)まで同調して昇降すると聞いて「これしかない」と思いました。想像以上のスムーズな昇降もメリットになりました。

また、オイルを送るナイロンチューブ(※)も延長できるので、キッチンの傍ではなくより使い勝手のよい壁際の棚に操作ハンドルを設置するという設計にしました。電動と手動がありましたが、今回のリフォームが「皆で協力して自分達で行う」というコンセプトもあったため、下宿する生徒さん達が体感できるよう、電動ではなく手動のハンドル操作にしました。電気も使わず、静音なのも良かったと思います。ポンプ、シリンダー、チューブとシンプルな構成なので組み込む方法も分かり易かったです。

アイランドキッチンの高さを下げ、ダイニングテーブルの天板を回転させれば、アイランドキッチンに届いてすべての高さが合い、4mもの長いダイニングテーブルにすることができました。

ナイロンチューブ ※ナイロンチュープ
油圧ポンプとシリンダーの間は、フレキシブルなナイロンチューブで繋がっています。チューブは最大6m延長できますので、昇降操作する場所へのとり回しが自在です。

【結果】来客時には4mものダイニングテーブルに早変わり。限られたスペースを最大限に活用!

アイランドキッチンとダイニングテーブル両方に仕掛けを作り、ダイニングテーブルを拡張させるこの方法は、お客様に大変喜んでいただけました。

今回はテーブルとの組み合わせの観点からキッチンを昇降させましたが、キッチン単体としても、身長差があるカップルや、お年寄り、お子様など、様々な方が使いやすいよう高さ調整可能な昇降キッチンとして活用できると思います。また、床下収納や、座卓から掘りごたつへなど、床面への活用も考えられますね。

所長 長谷川 渉様

~ちょこっとコラム~

建築業界では、ここ数年“木質化”が注目されています。木造建築、内装や家具への木材利用を促進することで、環境負荷を低減しながら、木材の地産地消やCO²削減に貢献するほか、森林・林業・林産業・建築が抱える問題も解決し循環型社会の構築を実現しようとするものです。木を直交させて強度をもたせるCLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー:直交集積材)工法は長崎県・ハウステンボスのホテル「変なホテル」の第2期棟建設(2016年3月オープン)に先進技術として採用されています。

導入企業紹介

長谷川ワタル建築研究所

京都市中京区御幸町通御池上ル亀屋町376番地

http://www.whats-kyoto.com/

事業内容:建築設計監理