“モノづくり”一筋に、DCモータやACモータといったモータ各種の多品種少量生産・短納期に対応し、家庭用キッチンの吊戸棚や食器乾燥機に使われるベルト式昇降装置や、マッサージ器など医療機器分野にも進出し、日々製品開発に力を注いでいます。今回は、製品の組み立てや検査に使用する作業台に電動型油圧式昇降システム「MOVOTEC」を導入し、大きな効果を上げた事例をご紹介します。
当社ではモーター応用製品としてベッドなどの大型製品もあるため、オペレーターは重い製品の向きを変えたり、横から下から、様々な方向からの加工作業が必要になります。その環境下で同じ作業台を使用しての作業は、オペレーターへの負担になっていました。当社には女性オペレーターも多いため、「出来るだけ楽に、早く作業が出来るように」と、作業負荷の軽減・効率化を考えていました。
そんな中、高千穂交易の油圧式昇降機能がついた作業テーブルを発見したのがきっかけになりました。
4本油圧シリンダーを取り付ける形で、2台分電動タイプを導入しました。MOVOTECの魅力的な点としては、シリンダーが同調駆動することです。偏荷重の場合も4本だけでなく6本といった複数シリンダが、同調して動きます。油圧シリンダというとオイル漏れが懸念されるのは確かですが、良い点として、何か故障があったときにも機械部分には負荷がかからないことが挙げられます。アクチュエーターだとメカ部分に負担をかけてしまいますが、油圧式ですと油圧自体がショックアブソーバーになります。
ストロークは最大400mm。高さが変わると作業も行い易くなります。
大量量産品は海外で生産することが多い昨今、国内では小ロット生産になる傾向があります。毎日生産アイテムも変わります。専用ラインや専用作業台を用意するのは難しいなかで、アイテムにあわせて自在に作業台の高さを変えることが出来るので、オペレータにとって大変助かっています。
作業体勢も楽になりましたので、疲労度も軽減し、効率良く作業できるようになったと現場からの反応も上々です。
モノづくりにおいて、安全を考慮した製品開発のニーズは日々高まってきていますが、モーター業界にもその変化は確実に表れています。以前はモーターの製品寿命がより長いものを求められることが多かったですが、より安全性を考慮して、モーターが一定の寿命時間に達したら自然に止まる回路を組み込んだりと、安全に機器寿命を迎えるような設計要望に変わりつつあります。安全性も含め、変わりゆく市場ニーズに対応することが求められています。