株式会社市川ビル 様

 市川ビル様では、2005年万引損失半減化プロジェクトを立ち上げ(後に窃盗撲滅プロジェクト(SBP)へ名称変更)、警備会社と協働してビル内テナントの商品ロス削減活動に取り組まれています。弊社は、ハード面では商品監視システム、防犯カメラに加え顔認証システムのご提供、ソフト面では2ヶ月に1度の運用フォローを実施させて頂いております。顔認証システムは、現在では広く認知されておりますが、市川ビル様では2011年2月にテスト導入といち早く運用を開始されました。今回、当時の導入経緯やこれまでの取組についてインタビューをさせて頂きました。

顔認証システムとは

 顔認証システムとは、施設入口に設置した専用カメラで来訪者の顔を検出し、あらかじめ登録した顔データと認証するシステムです。特定人物の施設への来訪を正確でスピーディーに検出し確認することが可能になり、万引きなどの常習犯や迷惑行為者にもっとも効果を発揮します。

詳細はこちらのリンクを参照ください

 

導入経緯を教えてください

 2010年、当時の営業担当者から窃盗撲滅プロジェクトの会議の場でシステムのご提案を頂きました。当初は、精度面や運用面で本当に使えるものなのかという疑問がありましたが、警察からの依頼をもとに指名手配犯の登録を行うなど、刑事課との繋がりが増えるのは悪い話ではないと考えました。また、少し停滞していると感じていた防犯活動において、新たなイノベーションに繋がる期待感もあり、思い切って採用に踏み切りました。

苦労した点はありますか?

 導入当初は、時間帯によっては西日で顔が真っ黒になったり、角度によっては額しか映らないなど、顔の認識がほとんど出来ず使い物になりませんでした。不審者の登録作業は、警備員で行うことにしていましたが、システムへの信頼度が低く登録者数も伸びませんでした。高千穂交易様の協力のもと、カメラ種類や取付位置、角度など何度も検証を重ねたこと、加えて2013年に検索エンジンを変更したことで劇的に精度があがり、社内でも使えるシステムと認識されはじめ、現在では500名以上が登録され、今となっては絶対に必要なツールへと進化しております。

運用のポイントはなんですか?

 当ビルにおいては、店舗側のスタッフが運用に携わっていないこともあり、ビル側の警備員が上手く使いこなせるかが重要なポイントとなります。制服警備員が顔認証システムを運用し、発報時には私服警備員へと情報を伝達し捕捉へと繋げております。その結果、私服警備員との連携が良くなり情報共有し易い環境が醸成されております。

弊社では、私服警備員に点数付けを行っています。もちろん捕捉したら点数は高くなりますが、捕捉出来なくても制服警備員と情報共有が出来ている方は、次の逮捕に繋がりやすく高い点数を獲得する傾向にあります。 顔認証システムは、みんなで情報共有して同じ方向を向くための重要なツールだと思っています。

導入効果を教えてください

 SBP会議による各施策の進捗フォロー、商品監視システムや防犯カメラの導入など、ソフト・ハード両面で積み重ねてきた施策がロス削減に効果を発揮していると自負しており、一概に顔認証システムだけでの効果は測れません。ただし、顔認証システム導入前より劇的にロスが下がっていることも事実です。商品ロス高は、プロジェクト開始前の85%以上削減出来ており、プロジェクトを開始していなかったら、10数年間のロスの積み重ねによりテナントは大きく利益を削られていたと思います。

当ビルには、学習塾にもご入居頂いております。業界関係者から「これだけのカメラ(300台以上導入)で子供の出入りが把握できる環境があるのは安心感がある」と御評価頂けたことは嬉しかったです。私たちは、入居頂いているテナント様に儲かってもらう土壌や安心した売場環境を提供することが大切であり、それが安定した賃料へ繋がっていくものと考えています。

導入企業紹介

会社名 株式会社市川ビル

設 立 昭和46年12月21日

本 社 〒272-0034 千葉県市川市市川1-4-10

市川駅周辺を中心に地域の方々やテナント様等の全利害関係者とWin~Winの関係拡大を経営理念として、快適な商業ビル環境ご提供で、皆様と共に発展し続ける会社です。