スライドレール安全上の注意

安全に、正しくお使いいただくための注意事項を必ずお守りください。

注意

[注意の定義]操作手順、保守作業手順に厳密に従わない不適切な行為が、軽い怪我もしくは物的損害がありうる場合の警告に使う語。

  • 定格荷重は、図-1 のように重心(W)がトラベル(T)、およびユニット幅400㎜のセンターにあり、苛酷な環境下でない室内で1 日1 ~ 2回程度の引出し回数の使用に適した最大の荷重です。
  • 水平取りつけの場合は、定格荷重の30%以下で使用してください。断面・レングス・トラベルの仕様により異なりますのでご相談ください。
  • 耐久性能は、スライドレールのトラベル(T)と重心の位置によって変わります。標準トラベルからトラベルを変更する場合は、耐久性能も変わります。
  • 耐久性能とスライドレールのライフサイクルは、下記要素により変化します。
      1.使用頻度
      2.スライド取り付け幅、取り付け方法
      3.重心位置
      4.ユニット設置場所(振動・衝撃・塵埃・湿気)
  • ライフサイクルは上記要素により変わりますが、定格荷重でご使用する場合1万回を推奨いたします。(インナー取り外し可能タイプは5千回)使用回数の多い場合は、弊社にご相談ください。 耐久性能は、3メンバースライドの場合、インターメンバーが作動し、次にインナーメンバーが作動する順次伸長動作によって向上します。一部モデルにはオプションとして、上記動作をさせるシーケンシャル・モーション部材を装備することができます。
  • アルミレールは、垂直取り付けで、定格荷重の2倍の静荷重が瞬間的にかかっても破壊することはありません。スチールレールは、定格荷重以上の荷重を加えると塑性変形が進行し、ライフサイクルの低下を招きます。
  • TK スライドレールの取り付けは図-3 のようにユニットに直接取付け(GOODDESIGN)固定した方が、スライドの性能を低下させません。
  • TK スライドレールの取付けは平行度を保ってください。取付けネジを仮締めして3 ~4回ストロークさせ、動きが軽くなったところで本締めしてください。オプションとしてポケット方式・タブ方式の仕様も可能です。(一部モデル)
  • ファイリング・キャビネット向けスライドレールの場合5万回~ 10万回の耐久性能が必要とされ、引出し動作中の横振れの影響も受けます。検討の際は弊社で耐久性能試験を行いますので、ご用命ください。
  • インナーメンバーの取り外し可能タイプは、インナーメンバーとアウターメンバーを高精度に組み合わせていますので組合せを変えるとスライド動作に影響がありますので注意してください。
  • スライドレールのストッパーは、通常使用でのストッパー機能のためにあり、強い衝撃や繰り返しでのストップ機能はありませんので注意してください。
  • 各メンバーの動作はボールベアリングを保持しているリテーナーと2:1 の関係性で動作しています。この関係性が崩れた現象をボールクリープと呼び、結果操作力が重くなります。この場合、インナーメンバーを引出側一杯に動かす事でボールクリープ現象は修正されます。
  • スライドレールはフルストロークでご使用ください(完全収納からフルトラベルまでの往復)。ハーフトラベルでのご使用はリテーナーズレの原因となります。
  • 仕様においては常温の範囲内で使用できます。
  • 摩擦抵抗熱を生じるほど激しい往復運動をしない限り、グリスアップの必要はございません。
  • 高温・低温・真空状態・水分・湿気等の環境下でご使用の場合はご相談ください。

【ステンレス製マイクロレールの使用ネジ長さについて】

弊社ステンレス製マイクロレールは、お客様がレールおよび引出しを設置する際に、一方向からの取付けを可能にする為、インナーメンバーにバーリングタップ加工を行っております。〈完全スライドタイプ(2000S、1400S、1600S)は除く。〉ネジの長さが長すぎるとリテーナーやレールストッパーにネジが干渉し、故障の原因となる可能性があります。 ご使用前にネジ長さをご確認頂くようお願い申し上げます。
なお、弊社の推奨する使用ネジ長さは、インナーメンバー板厚(t)+引出し・ワークの厚み(A)に1 ~ 1. 5mm 程度足した長さです。(図-4 参照)推奨ネジ長さ(L)=(t)+(A)+(1 ~ 1.5)mm