2024年3月8日に、「ハイブリッドワーク時代のセキュアで画期的なオフィス改革とは」というセミナーを開催しました。今回はその講演内容のポイントについてご紹介します。
目次
まず初めに、コロナ禍以降の変化についてお話したいと思います。パンデミックの影響を受け、私たちの労働環境は大きく変わりました。新型コロナウイルスの感染症分類が変更され、それに伴い多くの企業が働き方改革を余儀なくされています。この新しい環境において、柔軟なワークプレイスの設計が求められるようになりました。
働く場所やスタイルが多様化し、それに適応する必要が生じています。例えば、自社のある社員も最近、急な家庭の事情でスケジュールを調整し、自宅で仕事をする必要がありました。これは多くの人が経験していることであり、会社としてもこのような状況に対応する柔軟性が必要になっています。オフィスに戻る動きと併せて、様々な場所で業務を行う柔軟なワークスタイルが求められるようになってきています。
しかし、このような柔軟な働き方は、多くの課題や問題を生じさせています。フリーアドレス制の導入により、以前は容易にコミュニケーションが取れた同僚や上司が見つからなくなり、それに伴いオンライン会議の頻度が増加しています。会議室の予約が取りにくくなるという問題も発生しています。これにより、ネットワーク環境やITインフラにかかるトラフィックが増大し、セキュリティ対策や通信の安定性に新たな課題が生じています。
また、オフィススペースの有効活用や労務管理の問題も顕在化しています。特に上司や総務部門の負担が増えており、これらの課題への対応が経営資源の大きな部分を占めるようになっています。これらの課題に対処するためには、企業の情報システム部門が中心となって、新たな技術やソリューションの導入を進める必要があります。
次に、これらの課題を解決するために注目されている、ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)について解説したいと思います。ABWとは、従業員がその時々の仕事の内容に応じて、最も効率的に仕事を行うにはどの場所が最適かを自ら選択し、そこで業務を進めるワークスタイルです。このアプローチは、従業員エンゲージメントの向上、部門間コミュニケーションの活性化、そしてストレスの軽減に寄与します。
ハイブリッドワークの定着とともに、労働市場ではABW型オフィスが新たな要望として急速に増加しています。この新しい働き方は、従業員にとって最適な環境を提供し、さらに活発な議論やアイデアの創出を促進します。また、優秀な人材が集まりやすい職場環境を創出することが可能です。
例えば、一日の業務の中で静かな場所で集中して作業する時間、チームメンバーとコラボレーションする時間、クライアントとの会議を行う時間など、それぞれの活動に最適なスペースを選べるようになります。従来の固定席ではなく、活動に基づいた場所選びが可能になるのです。
ABW型オフィスの導入には、適切なスペースとテクノロジーの配置が重要です。効率的なスペース利用を可能にするためには、予約システムやリアルタイムの場所利用情報を提供する技術が求められます。また、セキュリティやデータ保護の面でも、従業員がどこで働いていても安心して業務を行える体制を整えることが必要です。
ここまで「ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)オフィスが有効」という説明をしてきました。次のページでは、スマートオフィス・テクノロジーで叶える多様性時代のABWオフィス改革の必要性とその具体的な実装について解説します。
スマートオフィス・テクノロジーは、最新のITソリューションを活用してオフィス環境を最適化し、生産性の向上と作業環境の改善を目指します。本ウェビナーでは、特にクラウドベースの管理ツール「Cloom」を中心に、オフィス内のセキュリティ管理に「Verkada」、ネットワーク管理に「Meraki」を組み合わせることで、オフィス管理をシンプルかつ効率的に行う方法を探求しました。
多様性時代のABW(Activity Based Working)は、従業員がその時々の活動に最適な場所で作業できるようにオフィス空間を設計するアプローチです。現代の多様性時代において、従業員のニーズと作業スタイルが多様化しているため、ABWは柔軟な働き方を支え、個々の生産性を最大化する重要な要素です。しかし、この種のオフィス環境を実現するには、高度な管理システムとセキュリティの確保が不可欠です。
ここでオフィスの生産性向上をサポートするクラウドサービス「Cloom」の役割が重要になります。Cloomはクラウドサービスを通じて、オフィスの各種デバイスやセキュリティシステムを一括して管理することが可能です。例えば、オフィスの物理セキュリティを管理するVerkadaと連携することで、オフィス内の監視カメラやアクセスコントロールが統合され、異常があった場合にはリアルタイムで通知が行われます。これにより、ABW環境下でもセキュリティの整合性を保ちつつ、従業員には最大限の自由を保証できます。
一方で、Merakiはネットワーク環境の構築と管理を支援します。Wi-Fi、スイッチ、セキュリティアプライアンスを通じて、オフィス全体のデバイス接続性と通信の安定性を保つことが可能です。Merakiのダッシュボードを通じて、ネットワークの健全性を維持し、障害が発生した際の迅速なトラブルシューティングが可能になります。
ABWオフィスモデルの導入は、これらのテクノロジーが融合することで初めて実現可能となります。スマートオフィス・テクノロジーによって、従業員一人ひとりが最適な環境で働けるようなオフィスを設計することが、企業の生産性向上に直結し、また従業員の満足度を高める結果となります。高千穂交易株式会社では、これらの技術を駆使して、お客様のオフィス環境改革を支援しています。
最後に、働き方改革とWell beingの充実がもたらす、従業員のモチベーション・生産性の向上について説明します。
現代のオフィスでは、Well beingの重要性が増しています。特に、社員の満足度と生産性は密接に関連しており、これを支援するために技術の活用が重要です。高千穂交易が提供するクラウドサービス「Cloom」と組み合わせたVerkada、Merakiのソリューションは、これを具体化します。
Verkada、Meraki、Cloomについて、改めてご紹介させていただきます。
Verkadaは物理セキュリティシステムをクラウド管理することで、オフィスの安全性を高めながら運用の手間を削減します。例えば、監視カメラや入退室管理を一元化し、不審な動きがあった場合には即座に通知が行われるシステムです。これにより、社員が安心して働ける環境が整備され、Well beingが向上します。
一方、Merakiはオフィスのネットワーク環境を管理し、デバイスの接続性やセキュリティを確保することで、作業効率を大幅に向上させます。特にAIを活用した解析機能により、問題が発生した際の迅速な対応を可能にし、業務の中断を最小限に抑えることができます。
Cloomの利用により、これらの技術を統合し、社員の動きやオフィスの使用状況をリアルタイムで把握することが可能になります。例えば、環境センサーからのデータを活用して、オフィスの環境条件を最適化し、快適な作業空間を提供することができます。また、リモートワークとオフィスワークの組み合わせを効率良く管理することで、従業員のワークライフバランスの向上に寄与します。
このように、高千穂交易はVerkada、Meraki、そしてCloomを駆使して、従業員のWell beingの充実と生産性の向上を実現します。オフィスでの快適な環境と安全な作業条件が保証されることで、社員はモチベーションを保ちながら、よりクリエイティブで生産的な仕事ができるようになります。
弊社は、エレクトロニクス機器の取引を中心に、単なる商社業ではなく、コンサルティングや設計から導入後のアフターサービスまでを提供し、全国に300拠点のサービスセンターを持つなど、総合的なソリューションを提供しています。「この機に働き方改革を推進したい」「スマートオフィスやハイブリッドワークに関心がある」という方は、ぜひご相談ください。