ハーネスケーブルが必要になったら

電力や電気信号を伝えるために必要なハーネスケーブル。ワイヤーハーネスとも呼ばれます。あらゆる分野の産業製品や製造工程に始まり家電製品に至るまで、様々な場所で使われています。本記事ではハーネスケーブルの概要や用途などの基本的な情報のほかハーネスケーブルの調達方法など、導入の検討にあたって必要な知識について解説します。

ハーネスケーブルとは

ハーネスケーブルとは、主に電源供給と信号通信に必要な複数の電線を束にした集合部品のことを指します。ワイヤーハーネスのほか、ハーネス、ASSY(アッシー)したものということからケーブルアッシー、配線、コード、ケーブル加工品など、様々な呼ばれ方をされています。
かつて人と馬がつなぐ馬具の総称であった「ハーネス」。現在ではエレクロトニクスやメカトロニクスなどの分野において、人間でいう神経細胞の働きをしているのが「ハーネス」です。機器の動力となる電力と機器制御を行う電気信号を伝える役割をもっています。

ハーネスケーブルの製造過程

ハーネスケーブルの製造は、FA(Factory Automation)による全自動化が難しく、また、仕様によっては構造が複雑になるため、調整は人の手によって行われるなど、品質自体が作業者の技術力に大きく左右される傾向があります。
製造メーカーなどがロボットシステムの研究や導入を進めておりますが、いまだ人の手を使った製造工程があるケースが多いです。

ケーブル加工・ハーネス加工の違い

ケーブル加工は機器間の接続を指します。

ハーネスケーブル加工は機器内における回路間の接続を指します。電線・端子・コネクタ・基板モジュール・センサー・サーミスタなど電子部品を用いて組み立てられます。組立作業を行うメーカーはアセンブリー屋とも呼ばれます。

 

ハーネスケーブルの利用シーン

ハーネスケーブルは、動力となる電力と、機器を制御するための電気信号を機器に伝達する役割を持ちます。電気配線を必要とする機械のほとんどに利用されており、様々な分野の業界で必要な部品と言えます。ここでは主な利用用途について簡単に解説します。

民生機器

多くの家庭にある、エアコン・冷蔵庫・電子レンジといった多くの家電製品にも、電気信号や電源を伝えるハーネスケーブルが必要です。なお、上記の家電製品のほか、テレビ・音楽プレイヤーなどのAV機器・パソコン・コピー機などのオフィス機器に使用されているハーネスケーブルは、自動車や医療器、生産設備に利用されているものと比べ、構造が単純で短いものが多くあります。
また、スマートフォンなどの小型機器においては、電力共有や信号伝達に際し、ワイヤーハーネスの代わりに基盤や薄型の回路が使用されます。このように、ハーネスケーブルは一定程度の体積のある機器に利用される傾向があります。

 

医療機器

我々の命を支える医療機器にもハーネスケーブルは幅広く利用されています。具体的には、血圧計・心電図・血管撮影装置などの小型~中型のものから、MRI・CT・X線装置、超音波診断装置など大型のものまで利用されています。
なおハーネスケーブル自体の複雑さは自動車ほどではありませんが、それでも単一から百回路程度、単純な構造から複雑な構造まで、様々な種類のハーネスケーブルが使われています。

 

生産設備

自動車や医療機器などを製造する側や生産設備の現場においても、例を挙げられないほど多くの業種の製造ハーネスケーブルが使われています。
ハーネスケーブルは、自動加工機や搬送装置といった機械の内部、また機械本体と制御するための制御盤をつなぐ役割を果たしています。工場のFA化で導入されるロボットの制御にも使われています。


その他身近な機器製品としては自動車なども挙げられます。

 

ハーネスケーブルの選び方・調達方法

ここまで、ハーネスケーブルの概要や利用用途等を解説してきました。それでは、ハーネスケーブルが必要になったとき、どのようにして調達すればよいのでしょうか。ここではその方法を説明します。

1. ハーネスケーブルの仕様を決定する

ハーネスケーブルの構成部品を決定します。ハーネスケーブルの構成部品は、主に端子・コネクタ・電線・外装品です。 まず最初に、ハーネスケーブルを使用する各種機器のインターフェース(接続部)を確認し、それに合う端子やコネクタを選定する必要があります。
端子やコネクタが決まったら、電線やケーブルを選定し、かつどのように配線するかも決めていきます。機器の距離により、電線やケーブルの長さが決まります。また、ハーネスケーブルが複数の機器に接続されるような場合は、電線・ケーブルが分岐する場所や結束位置なども予め決めておく必要があります。
次に、チューブ・結束バンド・キャップ・コアや銘板など、外装品を決定していきます。外装品の寸法や取り付け位置は制作に必要な情報であるため、予め決めておきましょう。
以上の仕様が決定したら、業者に対しワイヤーハーネスの見積依頼や製造依頼が可能となります。
改めて下記仕様の決定に必要な情報をまとめます。

<構成部品に関する情報>

  • 電線の型番・メーカ・切断長・シース剥きの長さ・被覆剥きの長さ
  • 端子やコネクタ・外装品の型番・メーカ・使用数量

<製作に関する情報>

  • 概略図や配線・結線の位置や寸法に関する情報
  • チューブや結束バンドなど外装品の取り付け位置や寸法
  • 許容される公差
  • 銘板の印字内容と素材
  • その他、特筆すべき事項

<管理に必要な情報>

  • 図面番号・図歴・改定履歴・ページ番号など図面を特定する情報
  • 作成者・承認者・作成日


なお、上記全ての情報が揃っていない場合でも、概算の見積を取ることは可能です。また、ハーネスケーブル製造業者の担当者と質疑応答をしながら、仕様を詰めていくこともおすすめです。

※大まかな使用目的や用途などを教えていただけましたら、弊社担当者よりご提案することも可能です。ぜひお気軽にお問合せ下さい。

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2. ハーネスケーブルの見積を依頼する

見積の依頼にあたってはまず、仕様書や図面を用意しましょう。仕様によっては、調達ルートや設備の問題で、ハーネスケーブルを製造できない場合があるためです。
次に、納期・数量・今後の発注計画などを伝えましょう。製造側としては、数量が少ない、計画性が乏しい案件はリスクが高いため、安価に抑えるのも難しくなります。また各社によって調達や製造面での特徴は様々です。
依頼時点で伝えられる情報をできる限り渡した方が、より要望に沿った回答が得られると言えるでしょう。

3. ハーネスケーブルの見積結果を精査する

より良い調達のため、見積結果を比較検討しましょう。
見積の精査にあたっては、主に製造可能かどうか、そして納期・価格・品質が注目ポイントとなります。
品質については見積結果から検討が難しいため、取引実績や工場視察・審査などで確認します。
見積結果に関しては価格や納期面など融通が利く場合もありますので、条件が多少合わないなど調整が必要な場合は交渉をしましょう。より良い条件の見積が選定できたら、次は発注です。

4. 発注・納入

初回の取引の場合は、納期通りに納入されるか、事前に確認を取っておいた方が無難です。また、初回の納入は仕様通りのハーネスケーブルが製作されて納入されているか、納入方法は適切かなども確認しましょう。
初めての取引は情報伝達不足や理解齟齬や思い込みなどで想定していた仕様と若干違う製品が納入される可能性があります。入念にチェックし、問題があればフィードバックをして今後のより良い調達に向けて双方で活動しましょう。

 

弊社取り扱いのハーネスケーブルのご紹介

高千穂交易では、多様性を求める市場ニーズに対して、「高い信頼性」「豊富な採用事例のあるラインナップ」「柔軟なカスタマイズ」をモットーとし、お客様の高い要求にもお応えできる製品をご用意しております。
ハーネスケーブルに関しては、産業機器・FA・医療用途に豊富なインターフェースを持っており、様々な用途でのご利用に対応できます。また、UL認証ワイヤリングハーネス加工工場や電線工場など国内外に複数の協力会社を擁しているため、品質に厳しい製品や企業への採用実績もございます。
お客様の細かいニーズに対応できる体制を整えています。特に、特注対応や屈曲性の優れた製品を始めとした豊富なラインナップが弊社の強みです。

ハーネスケーブル 製品例

複合ハーネス
複合ハーネス
盤内ハーネス
 

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