ORIHICA全110店舗に導入!「RFIDなくして、今の店舗運営は語れない」
── 現場と経営をつないだ、在庫“見える化”の2年間 ──

高千穂交易が提供するJohnson Controls社製RFIDシステム「TrueVUE hybrid(トゥルービューハイブリッド)」は、商品・在庫の統合管理プラットフォームです。サプライヤーから店舗まで、TrueVUE hybridが流通全体の在庫データを一元管理します。
アパレル業界向けの在庫管理やRFIDを活用した取り組みについて、詳しく知りたい方はこちら
AOKI様は、国内・海外に約606店舗(2025年8月現在)展開するビジネス・ビジネスカジュアルファッションを中心に販売するアパレル企業様です。2021年にRFIDプロジェクトを立ち上げ、2年2カ月をかけて、ORIHICA全110店舗(2025年8月時点)で稼働に至りました。
本記事では、株式会社AOKIホールディングス執行役員 デジタルサービス推進部 部長石松 昇 様ならびに、株式会社AOKI ORIHICA商品構成部 エキスパート 小林 千陽 様に、RFIDシステムの運用についてお話を伺いました。
左から㈱AOKIホールディングス 執行役員 デジタルサービス推進部部長 石松昇様、
㈱AOKI ORIHICA商品構成部 エキスパート小林 千陽様
本日はありがとうございます。まずは、今回の取り組みの背景についてお聞かせください。
石松様
はい。我々がRFID導入を考え始めたのは、2020年の中期経営計画策定時です。大きなテーマの一つが「店舗業務の効率化」と
「在庫精度の向上」でした。従来のJANコードによる手作業では、人的ミスやロスが避けられず、今後の人手不足も見据えると抜本的な変革が必要だと感じていたんです。
そこで着目したのが、高千穂交易さんが提供するRFIDシステムでした。
小林様
現場も同じ課題感を抱えていました。
とくにORIHICAはコラボ先の拡大、ビジネスとスポーツを掛け合わせた新規アイテムへのトライアルも見据えていたため、棚卸や入出荷が今後さらに煩雑になることが予想されました。
また、現状でもピーク時はレジもパンク寸前でした。“出店強化と新たな店舗形態の検討もしている以上、従来のやり方でやるには限界がある”という実感が、導入を後押ししましたね。
具体的に導入はどのように進んだのかお伺いしたいです。
石松様
そうですね。2021年にORIHICAでRFIDタグの発行を開始し、そこから約2年かけて全店舗へ展開しました。
サプライヤー、物流、店舗までをシームレスにつなぐ形で導入できたのは、高千穂交易さんの取り扱うRFID統合管理ソフト『TrueVUE hybrid (トゥルービューハイブリッド) 』が、一貫して流通全体の在庫の「見える化」を実現していたからにほかなりません。
同時に単なるタグ管理ではなく、“業務の設計そのものをRFID前提に作り替える”という視点が共通していた点も、導入の決め手として大きかったです。
小林様
正直、最初は大変でした。
特にトライアル店舗以外の全店拡大をし始めると、モール型の形態の店舗で隣の店舗の防犯ゲートと干渉したり、近隣他社のタグを誤読したり、技術的な調整が必要になりました。サプライヤーで取り付けたRFIDタグ自体の不良も想定外に多かったです。
ただ、高千穂交易さんがその都度スピーディーに対処してくれたおかげで、現場も徐々に安心して使えるようになりました。
実際にRFIDを導入して、どんな効果が見えましたか?
小林様
一番驚いたのは棚卸ですね。以前は1ヶ月前から準備して、閉店後に夜通し作業していたのが、今では棚卸当日、開店前の2時間で終了。作業時間が大幅に削減できました。
これは現場にとって革命的です。毎週実施する移動出荷作業に必要な時間も削減できていて、現場の負担が確実に減っています。
石松様
そうですね。数字だけ見ても、1店舗あたり全業務合計での業務削減率は26%。これは設備投資の回収という点でも非常に意義のある結果です。
また、在庫管理の精度も格段に向上し、ロスも減少傾向にあります。効率だけでなく、「正確さ」も手に入れたと感じています。
オムニチャネル戦略におけるRFIDの役割についてお聞かせください。
石松様
オムニチャネルでは、実店舗とEC、倉庫間の在庫の移動や引当が複雑になりがちですが、RFIDによってそれらを一元的かつ正確にトラッキングできるようになりました。
その結果、欠品リスクや過剰在庫を抑えつつ、「少ない在庫で、多様なニーズに応える売場」を実現できています。
特に、スペースが限られた都市型店舗でも、多品種を無理なく展開できるようになったのは非常に大きなメリットです。
小林様
たとえば、お客様が「この商品のこのサイズ在庫ありますか?」と店頭で聞かれたとき、以前ならバックヤードや他店舗に電話して確認していたのが、今ではすぐタブレットで正確な在庫がわかります。
試着を店頭でされてから、そのままECでの購入をご案内するケースも増えており、在庫情報がタイムリーに反映されるRFIDがあってこそ実現できた接客の形です。
「売場=在庫を売る場」から、「情報と体験を提供する場」へと変わってきたと感じています。
従業員の方の反応はいかがですか?
小林様
最初は戸惑いの声もありました。やっぱり慣れているハンディ端末の方が安心という意見は多かったです。
実際、店舗・入出荷業務での利活用状況でいえば、100%の利用率になるには半年以上が必要でした。
ただ再トレーニングなどを実施することで現場の方に慣れていただけました。様々な反応はあったものの、足並みをそろえて活用を始め、RFIDの便利さを一度経験すると、『もう前には戻れない』という声が自然と増えていきました。
今では新人スタッフでも短期間で戦力化できるようになったことで、採用・育成の負担も減ったことを実感しています。
石松様
RFIDシステムで作業が効率化されたことで、従業員一人一人が接客に集中できるようになる。
これは従業員のモチベーション向上にもつながりますし、実際アルバイトの定着率も改善傾向にあります。
DXというと冷たい印象を持たれがちですが、“人を活かすための技術”としてRFIDは非常に有効だったと感じています。
今後のRFIDシステムの活用については、どのようにお考えですか?
石松様
現在、ORIHICAでの成果をもとに、2026年までにAOKI全ブランド・全店舗への展開を進めています。
RFIDは、単なる道具というより“業務の骨格を支える存在”となっており、今後はスマホPOSとの連携も視野に、さらなる省力化と顧客体験の向上を目指していきます。
小林様
RFIDシステムを先んじて導入したORIHICAの現場では、RFIDを単なる効率化ツールではなく、“サービスを進化させるための基盤”だと捉えています。全社で同じ仕組みを持つことは、ブランド横断での改善や連携にもつながると思います。
また、アパレル以外の事業でもこのシステムを活用する方法が、活用していく現場のアイデアとして今後出てくるかもしれません。
事業戦略にも影響を与える、あらゆる可能性を社員が一人一人が主体的に模索していく……そういった意味でも、これからが本当の意味での“RFIDシステムの活用フェーズ”ですね。
RFIDによる店舗在庫管理の効率化について、まずはお気軽にご相談ください。

株式会社AOKIホールディングス
■本社所在地:神奈川県横浜市
■設立:1976年(創業1958年)
■店舗数:1395店舗(2025年6月現在)
1958年、長野県で創業。
紳士・婦人向け衣料・服飾品の企画販売を主軸に事業を展開し、主力はスーツ・フォーマル・レディース・カジュアルウェアを扱うビジネスウェア専門店「AOKI」。
2003年には新ブランド「ORIHICA」1号店を表参道にオープンし、ビジネスとカジュアルを融合したスタイルで新たな層を開拓。
現在は国内約606店舗を展開し、オリジナルブランドを中心に多彩な商品ラインアップで幅広い世代に支持されています。